東京のマンション高騰はなぜ止まらない?「強欲不動産」の裏側
- HOME
- 東京のマンション高騰はなぜ止まらない?「強欲不動産」の裏側

「そろそろ価格も天井だろう」——そんな一般市民の淡い期待をよそに、東京のマンション価格は上昇の一途をたどっています。なぜこれほどまでに高いのか? そして、この狂乱とも言える状況はいつまで続くのか?
その「価格高騰のからくり」を徹底解説します。
1. 供給量の激減:20年前の4分の1以下という現実
まず注目すべきは、市場に出回る「数」の圧倒的な少なさです。 2000年頃、首都圏の新築マンション供給数は年間約9万5,000戸に達していました。しかし現在は、年間2万戸に届くかどうかというレベルまで落ち込んでいます。
「タワーマンションが乱立しているように見えても、実態としては全く足りていない」と吉松氏は指摘します。人口減少社会であっても、都心の利便性を求める層に対して供給が追いついていないのが現状です。
2. 進む「ステルス値上げ」とグレードの低下
価格を抑えるために、デベロッパー側も苦肉の策(あるいは利益確保の戦略)をとっています。
- 専有面積の縮小: 坪単価を維持したまま、100平米だった部屋を80平米、60平米へと狭くして「総額」を調整する。
- 設備グレードのカット: 20年前のタワマンに比べ、最新の物件の方が内装や設備のグレードが落ちているケースも珍しくありません。
「20年前の物件の方が質が良い」という逆転現象が起きており、見かけ上の価格以上に実質的な値上がりが進んでいるのです。
3. 「金庫」としてマンションを買う富裕層と法人
今、都心のマンションを買っているのは、単なる「住居」を求める人たちだけではありません。
- 法人による購入: 本業以外の収益柱として、あるいは節税対策として法人が保有。
- コレクション化: 富裕層が資産運用の一手として、複数のタワマンを「金庫代わり」に所有。
特にコロナ禍の「00融資」などでキャッシュを得た地方企業が、値崩れしにくい都心の不動産に資金を逃がしている実態もあります。
4. 海外勢(特に香港・中国)にとって日本は「激安」で「安全」
世界から見れば、東京の不動産は依然として**「割安」**です。
- 所有権の魅力: 中国では土地は「借地」ですが、日本は所有権が持てる。この安心感は計り知れません。
- 資産の逃避先: 香港の富裕層は、自国の政治的リスクを背景に、数百億単位の豪邸を売却し、その一部を東京のマンションへ分散投資しています。
- 教育環境: 競争の激しすぎる母国を離れ、日本で子供を育てたいというニーズも高まっています。
結論:2035年頃までは「下がらない」?
再開発計画やゼネコンのスケジュールは10年先まで埋まっており、資材高騰を考慮した逆算で価格が決まるため、よほどのことがない限り価格が下落する要因は見当たりません。
「魅力的な不動産がある国に住んでいることは、見方を変えればチャンス」 海外勢が高いハードルを越えて投資に来る中、法制度や言語の壁がない日本人は、実は最も有利な立場にいます。コツコツと資産を築き、不動産を味方につける。そんな視点を持つことが、この「高騰時代」を生き抜くヒントになるかもしれません。



